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Ebook: 現代物理学における決定論と非決定論 [改訳新版]――因果問題についての歴史的・体系的研究

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02.03.2024
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「カントのとらわれていた、近代科学のカテゴリーのみで経験の対象が構成される
という理性主義的偏向と、その近代科学をもっぱらニュートン物理学のみに求めるという
時代的制約の、両面での限界を克服した立場から、あらためて現代物理学の世界認識
に取り組んだのが本書である。その意味においても、本書はカッシーラー哲学の全貌
を知るうえで不可欠であり、またその点に本書がカッシーラー哲学全体のなかで有する
重要性もある」(訳者・山本義隆)。

量子力学の本当の困難は、それが根底的な〈非決定論〉を導入したということ、
それが私たちに〈因果概念〉の放棄を要求しているということ、そのことにあるのでは
ない――この問題提起から始まり、ナチス・ドイツを逃れ亡命先のスウェーデンで
1936年に執筆された本書は、『実体概念と関数概念』に始まり『シンボル形式の哲学』
に結実し『国家の神話』に終わる、カッシーラーの生涯の哲学的問題意識のすべての
要素の結接点に位置するものである。

1994年に同訳者により学術書房から刊行された旧訳書を、原書初版に基づき本文・
解説とも大幅に書き改め、英訳版の序文も加えた、改訳新版。量子力学的世界の
哲学的基礎付けを試み、科学と哲学を架橋した画期的著作である。
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