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Ebook: 実体概念と関数概念―認識批判の基本的諸問題の研究 (新装版)

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02.03.2024
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近代科学と哲学の歴史的・実証的研究にすぐれた業績を残したエルンスト・カッシーラーの名は、
すでに十指に余る邦訳者の刊行によってわが国でも広く知られている。しかし、近代科学の認識
批判から出発したその独自の哲学体系の中軸をなす主要な著作は必ずしも十全に紹介されてき
たとは言いがたい。本書『実体概念と関数概念』は、『認識の問題』に始まり『象徴形式の哲学』へ
と結実するカッシーラーの足跡のなかでひときわ光彩を放つ記念碑的労作である。昭和初年の
抄訳刊行以来50年余をへだてて、その全訳がここに紹介される。
カッシーラーの本領は科学史研究にあると言える。ケプラー、ガリレイからニュートン、19世紀の
物理学者からアインシュタインまでを物理学史、思想史の両面において生き生きとよみがえらせ
うる哲学者としてカッシーラーは他の追随を許さない。その意味で、数学的・自然科学的思惟構
造の形成過程を〈実体概念〉から〈関数概念〉への発展として跡づけ、近代科学の認識論的基礎
づけを試みた本書は、カッシーラーならではの先駆的業績である。
近年、科学の認識批判が問題視されるなかで、カッシーラーの主要著作は根本的な見直しを迫
られている。本書の英訳普及版(1953年)が版を重ねる一方、原著復刻版(1966、1976年)、
仏訳版(1977年)があいついで出版されるなど、本書は新しい視点からの注目を集めている。
[1979年2月初版発行]

[目次抄]
第一部 事物概念と関係概念
第1章 概念形成の理論によせて
第2章 数の概念
第3章 空間概念と幾何学
第4章 自然科学的概念形成
第二部 関係概念の体系と現実の問題
第5章 帰納の問題によせて
第6章 現実の概念
第7章 関係概念の主観性と客観性
第8章 関係の心理学によせて
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